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本ですね。

読んだ本の書評みたいなものを自由気ままに、気楽に書いていこうと思います。

【書評】よるのばけもの/住野よる

小説家になろうからデビューし、来年夏にデビュー作の君の膵臓をたべたいが実写映画化する、今話題の住野よるさんの最新作よるのばけものを読みました。

結構表紙のデザインが好きです。

 

よるのばけもの

よるのばけもの

 

 

あらすじ

夜になると手足が6本に目が8つある黒いバケモノになってしまうようになってしまった主人公のあっちーこと安達。
バケモノになった自分に驚くも、その姿にやがて順応するようになり、夜の世界へと出かけるようになる。
ある日宿題を学校のロッカーに忘れてしまったためバケモノの姿で学校へと取りに向かう。
夜の校舎で誰とも出会うことなく教室まで到着し、ロッカーから忘れ物を取ろうとすると、突然背後から女の子に声をかけられる。声の主はクラスメイトでいじめられている矢野さつき。
突然の出会いに2人とも驚くも、彼女はバケモノをすぐに

「あっちー、くんだよ、ね」

とそのバケモノをすぐに主人公だとわかってしまう。
この夜の出会いを経て、主人公は次の日からもバケモノの姿で矢野のいる夜の校舎に訪れる。
そんな不思議な昼休みならぬ、夜休みによって2人の学校生活に変化をもたらす。

 

書評

この作品は昼の学校生活のパートと夜バケモノになった安達と矢野さんの夜休みのパートを交互に行っていくような展開になっています。また主人公のあっちーは毎晩バケモノの姿になってしまいますが、その姿は本人の想像次第で自由自在に変化させたり操ったりできます。そしてこの作品内で幾度となくその能力で問題を解決してゆくことになります。

 

 学校でのヒエラルキーのようなものや、直接的な暴力でなく、先生にバレることのない中高生にありがちな陰湿ないじめの感じがとてもリアルだなあと思いました。

また、いじめられている側を助けるような行いをすれば自分もいじめられてしまう。

そうならないよういじめに加担しないまでも無視をするなどして周りからズレないよう努める主人公ですが、夜休みで矢野さんの本当の姿を知ることで、矢野さんをいじめる周りがおかしいのか、矢野さんを認めてしまう自分がおかしいのかと葛藤することになります。

そんな自分らしさを出せない主人公の葛藤に妙に共感できます。

 

いじめがテーマということもあり、暗い雰囲気になるかと思いきや、矢野さんの明るく間が抜けた雰囲気でそこまで暗さも感じませんでした。
全体を通しての感想としては作中でいろいろと事件や意味深なセリフが多々出てきます。
しかし大半がなぜそうなったのか、なぜ話したのか説明がないまま終わったり、主人公が察しが悪すぎたりして、多少の消化不良感も否めませんでした。
ですが、作品を全て読み終えた後の最後の一文を読んで、そんな消化不良も一気に消えてしまいました。
ストーリー的には後味が良くないながらもスッキリする作品でした。

 

最近は本でもトレーラームービーみたいなものがあるんですね。


「よるのばけもの」 住野よる